あなたは夢、あなたは光

ブログ名は戸塚さんの言葉「僕は夢、僕は光」を私目線に置き換えたものです。guerrilla loveさん観測所です。主に戸塚祥太さんの舞台の観劇記録を書いています。愛が重いこと分かってる

舞台『BACKBEAT 2026 FINAL』観劇記録

観劇日


5月9日 昼 東京@EXシアター六本木

5月9日 夜 同上

5月24日 大千穐楽 神戸@兵庫芸術文化センター

 

舞台「BACKBEAT(バックビート)」公式サイト


ビートルズ来日60年の今年、BACKBEAT再々演!

同じキャストで再々演が叶うってすごいなあ。

私は初演観れていないので、同じ作品の再演を観劇するのは初めての経験でした。正直…楽しめるのか?はかなり不安でした。23年の再演当時、私はそれこそビートルズに陶酔していたクラウスのように、バクビに狂いまくっていたし、大楽で一度燃え尽きた(出てもねえのにw)のもあって、また真っさらなモチベーションで観れるのだろうか…と思ってた、ん、ですが!完全に杞憂でした。めちゃくちゃ楽しかったです!音楽ってやっぱ最高!

再演と比べると、キャストのみなさんも当然年齢を重ねているなかで、また17〜18の青年を演じるわけなんですが、それぞれのキャラクターや関係性の解像度がグンと上がっていて驚いた。セリフや演出はほとんど変わっていないんですが、抑揚の付け方とか細かい目線の配り方とか仕草でこんなに変わるのか!と新しい発見の連続でした。ファイナルにして、これまででいちばん"18歳(17歳)"だった感じ!!

ストーリーとは直接関係ないところ、たとえばセリフのない行間や誰かがセリフを言っているシーンの背景となっているところで全員が全員ずっとその"役として生きてる"。その瞬間瞬間を生きてるから、公演ごとにも当然のように変わる、本当に生モノだった。

 


たとえばポールってスチュのことマジで嫌いなんだなwwってムーブ一生してるからセリフないのにめちゃくちゃ伝わってくる。トップ・テン・クラブに昇格することをジョンがメンバーに伝えるシーンで、わざとスチュに「もうお前は(カイザーケラーには)出演しなくていい」って言った時、ポールが言葉通り受け取ってうしろでウンウン頷いてたの笑ったな〜。マジで嫌いじゃんww もちろんここのシーンだけじゃないから、終盤の「嬉しいんだよ、アイツが辞めてくれて」のセリフの説得力が格段に増してた。

 


前回に引き続き私はピート推しなんですが、今回も上口さんのピート、素晴らしかったですね…!自信満々で、いつもどこかみんなを見下していて、悪ふざけにも迎合しない、自分の信念を貫き通したゆえにビートルズを去らざるを得なかった男。特に印象的なシーンで言うと、最後の怒りのドラムソロ。再演時よりもたっぷりと間を取っていたというか、完全にピートに委ねられていたのもあって、ピートの怒り、悔しさ、悲しさ、やるせなさ…直前の「バスドラから力もらってさ」を体現するシーン。震える手でスネアにスティックを添えるから、ビリビリと音を立てていたのがどうにも胸を締め付けられた。渾身の力を込めたバスドラで自らを奮い立たせるようにビートを刻み、ビートルズという船から降りていった。

 


今回は末っ子ジョージちゃんとピートの軋轢みたいなものがより分かりやすく描かれていた印象です。意見の食い違いが起こっているようなさまがステージの中央上側で見られたり(前回は下手側の端でやりとりしていた)、ジョージの年齢が原因で強制送還になったシーンでは、ピートの"俺たちは悪くないのにコイツのせいで!"が態度や言動で全面に出ていた。

ジョージちゃんがグループに愛され、大事にされていたことが今回とてもよく伝わったのは、言うまでもなく辰巳ジョージの細かいお芝居のおかげ。ご本人も大楽後の加藤さんのニコ生ラジオで言ってたけど、ジョージってマジで全員に気遣って動いてるんだって。アストリッドが撮ったビートルズの写真を初めてみんなで見るっていうシーンで、捨てゼリフ吐いて去っていったジョンを諌めつつ、ピートにカバーをお願いしつつ、アストリッドにごめんねって謝りつつ、ジョンを追いかけていく、っていうほんの一瞬に詰め込んでるって言っててめちゃくちゃ感心したし納得した。

ちょっとした言い争いにも絶対止めに入ってるのがジョージだったし、スチュがラブミーテンダーを歌うシーンでは完全に中立の立場にいて、ジョンに弾くのを促されたのに応じながら、ピートとポールに2コーラス目から入ろうぜ!ってアイコンタクト。ジョージがそう言うなら…みたいに渋々演奏に入っていくのとか、普段からそうやってみんなのバランスをとってくれていたのが分かるからこそのあのシーンだった。辰巳ジョージがすごいのは、たぶんってか絶対そんなこと台本に書いてないってところ!ジョージを"生きる"にあたって自然発生的に生まれた言動や仕草が多かったんだろうと思う。辰巳くんがジョージで本当に良かった。

 


加藤さんのジョン。荒々しくて激しくて、ブラックな冗談や強い言葉ばかり使うからめちゃくちゃ分かりにくいんだけど、実は繊細なジョンを今回もとても魅力的に演じていた。スチュを中心にすると、ジョンとアストリッドが彼を取り合い対立しているような構造に見えるけれど、ジョンを客観的に冷静に俯瞰して見て、理解していたのが実はアストリッドだったのかも知れないなと思う。夜の海のシーンほんとに良いよね。それまでは一緒に演奏していてもスチュの気持ちが本当は一体どこにあるのか分からなくて、焦りから強い言葉で何とかバンドに繋ぎ止めていたのが、あの夜の海で、暗闇からスチュが現れた瞬間にすべてを悟って、これまでガチガチにジョンを守ってきた鎧みたいなものが全部崩れ落ちた。スチュという天才を自分の手元に置いておきたいと強く願っていたジョンが、アストリッドに託す。スチュといちばん穏やかに話せたのが、彼との決別をしたあの夜っていうのが切ない。

思い返せばジョンの悪趣味なジョークに毎回笑っていたのはスチュだけだったし、実はジョンに煙草を教えたのはスチュだったんじゃないか…?と思うし、ハンブルクで女の子と遊ぶのも、ドラッグをやるのもいつも一緒。絵の才能があることも、ベースが上手くないことも本当は分かっていたけど、それでも一緒にいたかった、上を目指したかったんだよな…

 


それぞれのキャラクターの解像度が上がれば上がるほど私はアストリッドの良さがわかんなくなっちゃったんだよな〜笑 強くて才能ある聡明な女性っていう描き方をされているけれど、意外と言ってること芯食ってないよな?ってなるというか…朝チュンでクラウスと鉢合わせるシーンほんとびっくりした、「あなたが出逢わせたのよ」って言ったのかと思った(言った)

それでもスチュがアートの世界を選んで留まらせたのはアストリッドの影響が大きかったのだと思うし、ジョン(外の世界)との橋渡しをしたりして晩年の制作活動をサポートし、託されたスチュを献身的に支えたのは事実で。アストリッドがいなければ描きあげられなかった作品もあったんだろうと思う。

 


序盤から右手を支えるような形で絵を描いていたり、時折頭を押さえるような仕草をしたり、普段声を張らないのに突然大声で激昂したり、ああ今右手に麻痺がきてるんだ、って分かるような動きをしたり、スチュアート・サトクリフとして全力で生ききっていた戸塚さん。

私がスチュばっかり見ちゃうのはもうしょうがないので許してほしい。好きなシーンたくさんあるけど、初めてベースを手にして、訳の分からないまま鳴らしたEの音に、世界がパァッと広がった瞬間の表情良かったな…

(たぶん)再演になかったセリフ。持ち曲が50曲もない中6時間演奏し続けなければならない状況で、「アクションペイントとかやれるぜ?」と案を出したのに全員に完全スルーされるシーンでスチュのバンドの中での立ち位置がなんとなく分かってしまったところ、笑えるんだけど切なくなった。

娼婦の女の子とはチュッチュチュッチュしてたのに(本当にごめんだけど双眼鏡でガン見してました本当にごめん)、心から愛しているアストリッドとは一度も唇を重ねることはなくて、小さくて細い手の甲に控えめにキスしたり、熱く見つめたり、強く抱擁したり…恋と愛の違いを明確に演じ分けていた。

晩年の、病状が悪化してからのお芝居は本当に痛々しくて辛かった。観ているこちらも息が苦しくなるほど。去年の舞台『真夜中に起こった出来事』でもそうだったけど、演技のはずなのにお芝居ってことを忘れてしまうくらい、重篤な怪我だったり重い病気だったりの表現が凄まじすぎる。再演から今回の再再演まで、他の舞台で積み上げてきた経験がよりお芝居に活きている!っていう気がしました。

 


私は東京と兵庫の大楽しか観ていないので知らなかったんだけど、ラストシーンは他会場と東京会場で変えてたと教えてもらいました。EXシアターは奥行きが足りなかった?ようで。

東京の演出、すごく好きだった!スチュがジョンを迎えに来て、額縁を乗り越えた瞬間に歓声がブツっと途切れ、ジョンがハッとした表情をして、暗転。なんだかドキッとするようなラストシーン。

他会場と兵庫は、歓声の中、煙草を燻らせながら靴音を響かせてスチュとジョンが額縁の奥の暗闇に消えていく、という余韻の残るラストシーン。大楽はここで一瞬の静寂があったあと、割れんばかりの拍手が起こったのが感動的だった。これが本当に、ファイナルのファイナル。

 


キャストのみなさんも、スタッフさんたちも、私たちも、こんなにも"最後"を心から惜しみつつ別れる作品って他にあるのか…?と思ってしまう。

令和のビートルズはメンバー変わらず、シングルキャストで88公演!お芝居も演奏も全部やって全力で走り抜けた。すごいことだ…そんな歴史に残る作品の再演と再々演を見届けることができたことを誇りに思う。

 


最後の最後にみんなで「ビーバッパルーラ!」を叫べた。ビーバッパルーラとは…「最高!!!!!!」って意味なのかもしれない。

BACKBEAT最高!!本当にありがとうございました。

 

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初めて本物の音源聴いたんだけど、加藤さんの歌い方がまんまこのジョン・レノンすぎて衝撃だった。

ツイスト・アンド・シャウト (2009 - Remaster)

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