六本木歌舞伎2022『ハナゾチル』
観劇日
・2月19日 東京公演2日目(昼)@EXシアター六本木
・3月11日 福岡公演初日@福岡サンパレスホール
★戸塚くん出演場面(各演目は公演パンフレットより引用)
会場入って、ステージ見た瞬間めちゃくちゃビックリした。「えっ?私これから観るの歌舞伎よな??」ってなった。
どこかの雑居ビルの屋上のようなセットで、背景にはビル群の夜景。ジャニーズウェブショップのトップページが思い浮かんだ。これから歌舞伎が始まるとは思えないくらいとても現代的!
下手側には短い花道のようなものがあり、花道のすぐ横に家紋みたいなものが描かれた白い暖簾が掛かっている。
【博物館】★
幕が上がり、最初に出てきたのは6弦ベースを携えたBOHさん。スキンヘッドに全身黒のお着物でばりイカちー!笑 会場にバキバキに響く低音がむちゃくちゃカッコいい!そしてやっぱり歌舞伎が始まるとはまだ思えない笑
BOHさんのベース音に合わせて、下手側の暖簾から突如として現れた戸塚くん(初観劇時の東京公演、私は下手側の座席だったので、まさかあそこからいきなり出てくるとは思ってなかったから、驚きすぎてちょっと声出そうになったw)、
青いスカジャンに黒いニット帽。指が出たレザーの手袋(DAIGO的なやつ)、黒スキニーの尻ポケットから黒い有線のイヤフォンが伸びていて、それを両耳に突っ込んでいる。たぶん音楽を聴いているという設定なのかな?(バク転したあとに絡まったりしていてちょっと扱いが大変そう、というか正直ちょっと邪魔そう…なのもあってか、福岡公演ではなくなっていた)
ノリノリでステージの真ん中へ。パルクールよろしくバク転したり、ベース音に合わせて踊ったり。
(この部分は戸塚くんの自由演技のようで、日によって表現が全然違ったみたい。福岡公演ではニット帽を首まで被って踊るので、顔が見えなくなってしまっていた)
しばらくすると、戸塚くんを逮捕しに来る刑事たち。戸塚くんは"弁天小僧"を名乗る泥棒で、博物館から盗みをはたらいたらしい。
屋上ギリギリまで追い詰められた戸塚くんは、どこからともなく聞こえる、姿の見えない何者かに「倅よ…」と呼ばれる。「来ればわかる」と言われ、言われるがままに博物館の屋上から飛び降りる…
【初瀬寺】★
場面は変わり、お寺の境内のようなセットに。着物を着た町人たちが談笑している。
鐘の音が鳴る中、左腕を痛そうに押さえた戸塚くんがよろよろと登場。
さっきまでいた場所と景色が全く違うので戸惑うが、「ひょっとして…ここは江戸時代!?もしかしてタイムリープしたのか!?」「こりゃあいい!つまらねえ世界から抜け出したいと思ってたんだ!」と開き直った様子。
町人たちとも鉢合わせするが、この時代の人たちからすると戸塚くんの格好はあまりにも妙なので、目を合わせちゃいけない!と足早にその場を立ち去ってしまう。
(ここの町人たちの反応がおもしろおかしく表現されていて、思わず笑ってしまった。歌舞伎って笑い声上げてもいいんだなあ、というか、ガチガチに真面目なのかと思ってたけど笑いどころもあるらしい、とここで感じた)
そこへ、「これ宗之助。突然いなくなったと思ったら、こんなところで何をやっているんだ?…なんだその、イカれた格好は…?」「お前誰だ?」「何を言うておるんだ、わしはお前の父じゃあないか。早く家へ帰ろう」言われるがままに、その父と名乗る男に連れられはけていく戸塚くん。
【浜松屋見世先】
舞台は呉服屋さんのセットに変わり、店員さんたちが慌ただしくお店の準備をしている。
そこへ身なりの良い立派なお侍さんが客として訪ねてくる。より良い品を案内するとのことで、浜松屋の店主(戸塚くんを連れて行ったお父さん)が出てきて、さらに奥の座敷とお侍さんを連れ立って行く。
すると、今度はお店に美しい振袖を着たお姫様と、その家来が訪ねてくる。このたび結婚をされるということで、嫁入りの準備をしに来たとのこと。
店員さんがお着物や帯などの装飾品を多数持ってきて接客していると、どさくさに紛れてお姫様が万引きを働く。店員総出で問い詰めるも、これは店員の勘違いで、濡れ衣であった。揉み合った際に、お姫様の額には傷ができてしまったこともあり、家来が慰謝料を請求するも、一行は金額で揉め始める。
そこへ奥の座敷から様子を見ていたお侍さんが現れ、お姫様の正体を見破る。お姫様の袖からチラッと見えた桜の刺青を証拠に、お前の正体はお姫様ではなく男だろうと問い詰める。
お姫様は実は女装をした弁天小僧菊之助(海老蔵さん)、家来に扮していたのは不良仲間の南郷力丸。2人して変装をして呉服屋を強請ろうという魂胆であったことが一同にばれてしまう。
正体がばれて開き直った弁天小僧の「知らざあ言って聞かせやしょう」から始まる名台詞もここで。
店主は2人にいくらか金を持たせ、2度と来るなと追い返す。
【浜松屋蔵前】★
呉服屋の奥の座敷(蔵)にセットが変わる。店主はお侍さんに先程の礼を述べている。
そこへまた弁天小僧と南郷力丸が今度は刀を持って押し入ってくる。実はこのお侍さん、正体は日本駄右衛門であり、この2人の親分であった。真の目的は蔵の金目のものをすべて盗むため。日本駄右衛門の手引きによって、蔵に侵入した一行はまたも店主を脅しにかかる。
脅された店主は、過去に子どもを取り違えたことがあり、自分の本当の子ではない宗之助を今日まで育ててきたと告白し、実の親に申し訳が立たないため、宗之助のことは助けてくれと懇願する。
その話を聞いて顔色の変わった日本駄右衛門。その取り違えた息子は彼と同じ痣を持つ子だと判明する。宗之助は日本駄右衛門の息子だったのだ。
本当の息子には御守りを持たせていたと話す店主。話をそばで聞いていた弁天小僧は、「もしかして…」と自分の持っていた御守りを店主に見せる。御守りはまさに店主が息子に持たせたものであり、弁天小僧は浜松屋の店主の本当の息子であることが同時に判明する。
実の父親の店に盗みに入ったことを反省していると、彼らの仲間が来て、3人に追手が迫っていることを伝える。弁天小僧は店主に別れを告げ、南郷力丸とともに店を後にする。
そこへ襖のそばですべての話を聞いていた宗之助(戸塚くん)が現れ、
「屋上で私を呼んだのはあなたの声だったんですね…」
本当の父親である日本駄右衛門と対面する。すっかり現代の格好(スカジャンにスキニー)ではなくなっていて、薄い水色のお着物に白塗り、髷を結っている。(めちゃくちゃ美しい…)すっかりこの時代に染まり、人が変わったようになっている。
感動の再会を果たすも、日本駄右衛門には追手が迫っていて、時間がない。育ての父を大事にするようにと言い残して去ろうとする日本駄右衛門に、宗之助は店主から預かった着物を手渡し、別れる。
○第二幕○
【稲瀬川勢揃】
桜並木が綺麗な川沿いのセットに。
下手の暖簾から、"白ら波"の文字が書かれた唐傘が1つ1つ順番に開かれ、弁天小僧菊之助・南郷力丸・忠信利平・赤星十三郎・日本駄右衛門の白浪五人男が1人ずつ舞台に上がり、七五調の口上で名乗りをあげる。身に付けているお揃いの着物は宗之助が日本駄右衛門に手渡したもの。
(ここかなり独特の台詞回しだったのでめちゃくちゃ難しかった…ので完全には理解できなかったけど、五人男の迫力にすごく圧倒されました)
五人男と彼らを捕まえに来た追手との大立ち回り。
【極楽寺塀外】
【極楽寺大屋根】★
お寺の立派な屋根上のセット。かなり豪華で目を惹く朱の門。ここがクライマックスなんだな、と一目で分かる。
実の父親や、白浪五人男たちの生き様とその絆に胸を打たれた宗之助(戸塚くん)。「来れば分かる」と言っていた父の言葉の意味を噛み締め、目には涙が浮かぶ。
(福岡公演では防振の双眼鏡を持って行ったので、戸塚くんの瞳が潤む瞬間も観れた、双眼鏡は、神!)
この時代にタイムリープをしてきて、つまらない現代を抜け出して好き勝手してやろうと思っていた自分をかえりみて、自分自身と向き合い、現代へ戻る決意をする。そしてまた来た時と同じように、今度は極楽寺の屋根から飛び降りる。
宗之助(戸塚くん)の姿と重なるように弁天小僧菊之助(海老蔵さん)が追手との派手な大立ち回りを見せる。そこへ現代へと戻った戸塚くん(格好もお着物からスカジャンへ変わっている)も現れ、警察たちと華麗な立ち回り。ここで現代と過去がパラレルワールドのように重なる。
(ツケ打ちやお囃子と、ベースの音が重なって、音楽も一緒に現代と過去が混ざり合うという演出。めっちゃすごい)
降り注ぐ桜吹雪の中、ふたりは同じ空を見上げる…
〜終演〜
★★★★★
カーテンコール、私が観た東京公演は2回ほど。海老蔵さんに促され、「えっ!いいんですか…?」って感じでセンターでベースラインに合わせてZa ABC〜5stars〜のサビを控えめながらニコニコと踊る戸塚くん。
次に観た福岡公演は5回くらいあって笑 戸塚くんはもう東京公演で何度もやってきたであろうZa ABC〜を堂々と。中村児太郎さんや市川九團次さんも、ざえびを披露したり、ムーンウォークを披露したりと、チームとしてもとてもいい雰囲気なのがカーテンコールでとてもよく分かった。(各地で数回、公演を観る醍醐味ってここにあるよなあ〜舞台の面白さ!)
戸塚くんは難しいであろう古典芸能の世界に飛び込んで、大変だったのは想像に難くないけど、公演を重ねるごとに伸び伸びと演じられているのがとてもよく分かりました。舞台を降りたら可愛がられてるんだろうな〜というのも垣間見えて良かった。大千穐楽までいけなくて残念だったなあ。